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声明文 一覧
緊急声明 NGO市民科学京都研究所は、イスラエルによるパレスチナ「ガザ地区」への大規模攻撃による多くの子どもや病人、医療関係者、ジャーナリスト、国連職員を含む広範な市民の殺戮を非難する。10月7日のハマスによる市民の殺戮・人質を許すことはできない。しかし、イスラエルによる「ガザ地区」への攻撃は自衛権をはるかに超えたジェノサイド・民族浄化であり、私たちは、攻撃の即時停止、水や食料、燃料といったライフラインの復旧にかかる封鎖の即時解除、市民の生命と安全の確保をイスラエルに求める。また、イスラエルが占領していたガザ地区とヨルダン川西岸地区でのパレスチナ人の暫定自治を認めた「イスラエル・パレスチナ和平合意」(オスロ合意<1993年8月20日発効>)をふまえ、あらためて平和的共存への協議を再開することを求める。 2023年10月28日 NGO市民科学京都研究所 |
東電福島第1原発の トリチウム汚染水の海洋放出に反対し、撤回を求める わたしたち市民科学京都研究所は、この間、政府と東京電力(以下、東電)の汚染水対策について数々の疑問と批判を明らかにしてきましたが、このトリチウム汚染水の海洋放出は最悪の事態と言わねばなりません。政府・東電は放射性物質トリチウムの汚染水を「ALPS(多核種除去設備)処理水」(東電の公的文書での名称)または「トリチウム処理水」と称し、市民に汚染水ではないかの如く宣伝し、汚染の事実を隠そうとしてきました。また、トリチウムは危険性が低く、世界中の原発でトリチウムを垂れ流しているから安全だと非科学的な主張をし、多くのメディアもそれに追随してきました。これは根本的に誤っています。 そもそも放射性汚染水を海洋放出しなければ稼動できない原発は、海洋生物の安全を確保で きず、稼働させてはいけない欠陥技術の構造物です。海洋生物の安全は人間の安全にとって不 可分の関係にあります。生態系への放射能による影響は深刻な事態に至ることを再認識すべき です。このことはチッソ水俣による有機水銀の海洋放出に汚染された過去の経験から学んだは ずです。放射性汚染水の海洋放出は人権の否定です。また「放射性汚染水の安全性」なる見解 そのものが人権の否定です。「放射性汚染水の危険性」を前提にしての議論が求められます。「汚 染水」を「処理水」と言い換えることそのことが危険なのです。 さらにこの議論(海洋放出の決定プロセス)は民主的・市民的に行われていません。また、 原発の存在と放射性汚染水の放出を前提として設立された国際的諸機関(国際原子力機関・ IAEA を含む)による「科学的基準」(例えばトリチウムは DNA を傷つけるが薄めればリスク は低い)なるものは「安全基準」を意味するものではありません(なお DNA は遺伝情報を構 成する物質で体をつくる設計図といった役割を担っています)。この「科学的基準」は地球上の 生物(人間を含む)にとって「危険基準」を意味するものに過ぎません。科学(特に原子力) と地球上の生物(人間を含む)は密接不可分の関係にあることを忘れた言葉の使い方であり、 事実の歪曲です。「科学的」という言葉が「危険」と言うべき事態を「安全」にすり替えて使わ れているという歪曲です。それは「国家の科学」、「資本の科学」にとっての立場(核の力に依 存し利用する立場)からのすり替えです。「核抑止力による安全保障」も「放射能の安全基準」 も「危険」と言うべき事態の「安全」へのすり替えに過ぎません。わたしたちはこれまで幾度 となく繰り返されてきたこうした「国家の科学」(国家の科学者を含む)と「資本の科学」(資 2 本の科学者を含む)に騙されるわけにはいきません。この具体的な事例として、経済産業省主 催の公聴会(2018 年 8 月 30 日に福島県富岡町、8 月 31 日に郡山市などで開催)において、 原子力規制委員会は海洋放出を強く迫り、同委員会の田中・元委員長、更田・前委員長は「ト リチウム濃度を告示濃度以下に薄めて海洋に放出せよ」と発言してきたことなどがあげられま す。 2021 年 3 月 11 日、国連人権理事会の下におかれた国連人権専門家5名による勧告では、国 連の人権専門家は、福島第 1 原子力発電所に現在も残る汚染水は、環境と人権に大きな危険を 及ぼすものであり、汚染水を太平洋に放出するという決定はいかなるものであっても容認でき る解決策ではないと述べました。専門家は、汚染水を太平洋に放出することは、子どもの人権 を含む人権の尊重を否定するものであり、日本の国内外で子供たちをさらなる危険に晒すこと になると述べました。また、「汚染水がもたらす危険性やその処理の影響の説明が不透明である ことや、関連する意思決定プロセスに市民が参加していないことが原発事故の被害を受けた 人々の不安感を煽っている。現在提案中の汚染水の処理方法に関する協議は、地域社会や市民 団体の有意義な参加に欠けている」と述べられています。私たちはこの「国連人権専門家勧告」 を支持します。 この「地域社会や市民団体の有意義な参加に欠けている」という指摘については、2020 年 6 月、全国漁業協同組合連合会(全漁連)は「海洋放出に断固反対する」特別決議を全員一致で 採択し、また福島県内の自治体の7割が反対・懸念を表明しているにもかかわらず、海洋放出 が進められようとしている事態を指してのものです。さらに、2020 年 6 月に新型コロナ感染 拡大中にもかかわらず経済産業省が実施したパブリックコメントには約 4000 件の書面による 意見が寄せられ、そのうち 7 割が「処理水が人体に危険・有害」であるなど海洋放出の健康被 害に対する懸念を訴えています。にもかかわらず 2021 年 4 月 13 日、菅義偉首相(当時)は、 関係閣僚会議を開き「ALPS 処理水」の海洋放出を、これまでの「公的約束」を破って一方的 に決定しました。 汚染水貯蔵の継続は、例えば「モルタル固化」、「大型タンクの建設貯蔵」によって可能です。 東電は場所がないとしていますが、7、8号機建設予定だった敷地なども含め可能です。今回 の汚染水の海洋放出計画は 30~40 年という見通しのない廃炉作業計画に合わせたものです。 汚染水の海洋放出もまた終わりなき計画です。また、総量 800 トンともいわれる燃料デブリの 取り出しは全く見通せず、その置き場の可能性なども全く見通せません。2018 年 8 月開催の 上記公聴会で、次の5つの処分方法と費用を提示し、「モルタル固化」は 1000 億円、「大型タ 3 ンクの敷地がない」と東電が事前に却下しましたので提示されませんでした。その処分方法と 費用は、①海洋放出 34 億円、②水蒸気放出 349 億円、③水素放出 1000 億円、④地下埋設 1624 億円、⑤地層注入 3976 億円です。この中で①を政府は決めたのです。これは、放射能被害を 少なくする方法を科学的に考えるのではなく、“安くて簡単な方法として海洋放出ありき”であ り、全く非科学的かつ地球上の生物(人間を含む)の存在を軽視あるいは無視した暴挙です。 わたしたち市民科学京都研究所は市民の立場(市民の科学)から安全を実現することを求め、 科学・技術のあり方、原発が欠陥技術の構造物であること、そして放射性物質の海洋流出・放 出の問題点などを明らかにしてきました。福島をはじめとする日本の住民、さらには近隣諸国、 太平洋諸国などの住民に放射能被害を、これ以上を及ぼさないために海洋放出に反対し、撤回 を政府に強く求めます。 2023年8月22日 NGO市民科学京都研究所 |
理事会声明 戦争反対! ロシアはウクライナ軍事侵攻を即時停止し、ウクライナから撤退せよ。 わたしたちは、自由な市民活動を圧殺するあらゆる国際軍事行動に反対し、 「永遠平和」を求めます。 2022年3月4日 NGO市民科学京都研究所 |